翻訳審査所感

翻訳の審査を始めてから随分経つが、トライアルであれ、検定試験であれ、訳注の書き方一つも知らない受験者が多すぎる。訳注を平気で「である」調で書いてくる、解釈に影響を与えない原文の誤植ばかりを取り上げる割に、好き勝手に訳した箇所を指摘してこない等、そもそも訳注の意義を分かっていない人が多い。誰がその訳注を読むことになるのかを想像することは、誰がその翻訳を読むのかを考えることであり、翻訳の商品性をどう捉えているのかという意識を表しているのだと思う。