よくある質問 ~翻訳学習編~
Q. 金融分野の英日翻訳者を目指しているが、何が必要か?
・どのような英文であれ、文法・構文を正確に解釈し、訳出できるだけの英語力は必須。苦手な人は、大学受験生向けの英文解釈テキスト、文法書を活用し、英文構造を正確に掴む訓練を積むこと。
・実務翻訳全般のルール、最低限の翻訳テクニックは学んでおきたい。関連書籍は幾つか出版されている。やれることをやってみた後で、翻訳学校の講座を活用するのはそれなりに有効。
・金融を専門にするのであれば、日経新聞だけでなく、ロイター、英文経済誌などで最新の情報、表現、スタイルを取り入れる必要がある。内容としては、マクロ経済、財政・金融政策、財務・会計、各種金融商品(株式、債券、ローン、デリバティブ)、投資銀行業務(M&A、シンジケートローン)、各種ファンド(投資信託、プライベート・エクイティ、ヘッジファンド)など。弱点をなくすための学習が必須。証券外務員、証券アナリスト(1次レベル)の知識はどうしても必要になる。英文契約書は一通り勉強しておくべき。
・それでもわからない(訳せない)ことは多々ある。ウェブのリサーチ、各種辞書をうまく活用する。英英辞典、googleの英文・和文検索、関連内容の調査(と吸収)。
Q. どれくらい勉強すれば翻訳者になれるのか?
トライアルに合格するまでの期間は、個人差があるので一概には言えないが、概ね1~2年。3年やってダメなら、やり方が間違っている可能性大。
担当者はどこを見ているのか。
・英文解釈が正確であること
・訳文の筋が通っていること
・解釈・表現に「常識」が備わっていること
・リサーチの精度
Q. 翻訳会社に登録したが、(金融分野の)仕事が来ない。
・経歴や得意分野を見て発注していることを念頭に置いておく。
・供給過剰で単価が下がっているのは周知のとおり。トライアルに合格しても、仕事を継続的に受注できるだけの訓練、アピールは当然必要。
・案件は一部の優秀な(既存の)翻訳者に発注される傾向がある。翻訳会社もリスクを取れないので、(よほど優秀でない限り)新人翻訳者には、一般的なビジネス案件や、分量の少ない案件からの発注が一般的。履歴書の段階で得意な分野、翻訳実績をアピールできていなければ、発注者から声がかかりにくいのは当然と考えるべき。
・発注されやすい案件の特徴をつかみ、「どのようなドキュメントが得意か」をアピールできるようにしておく。専門性で勝負できなくても、ある程度の翻訳実績を作っておけば、類似案件が発注される可能性は高まる。
・忘れられていると思ったら、自分から担当者に連絡すること。覚悟さえあれば、失うものは何もないはず。