〜金融・経済翻訳 (2)〜

前回、金融翻訳の動向について書きましたが、今回は学習法について少し書いてみたいと思います。

幸い、金融翻訳では無料で公開されている資料が数多く存在します。プレスリリース、有価証券報告書株主総会招集通知などは、大企業の場合、英訳が公開されています。必ずしも専門性が高いものばかりではありませんが、それでもターゲットとなるドキュメントに数多く触れていないと、どのように表現したらよいか、見当が付かないはずです。当然のことながら、まずは和文でのインプット量を増やすことが必要だと思います。
会計・財務の学習は継続的に行いましょう。また、定款や会社法関係の内容についてもひと通り押さえておく必要があるでしょう(その世界で「常識」と考えられている部分で誤訳に陥らないように)。

慣れてきたら、和文と英文を照らし合わせて、「英訳」を念頭に置いた上での学習を進めるべきでしょう。実務翻訳者は、すべてのタイプの日本語を訳す必要はありません。ターゲットとなるドキュメントの性質に合致した英文に仕上げればよいわけです。世の中には勉強材料が無限に転がっているわけですから、これを活かさない手はありません。フリーでやっていく場合、単価と需要を考えると、財務分野の英訳は捨てきれないのも事実です。

参考になりそうな書籍やURLについては、今後もフォローしていきたいと考えています。