辞書を「安く賢く」使う方法① 英和・和英・英英(1) (3/13変更)
辞書は「お金で買える実力」です。
翻訳・翻訳学習者の基盤となる辞書を「賢く」揃えるには、電子辞書とフリーのオンライン辞書を最大限活用し、補えない部分についてEPWING対応*の辞書を購入するという方法が考えられます。
(*参考URL) http://www.tranradar.net/ddwin/
一般・ビジネス分野の英文を読み書きする上で、評判の高い(または、個人的に助けられることの多い)辞書を以下に記載します。※評価は独断に基づきます
[英和・和英辞典]
※以下の辞書はすべてCD-ROM(EPWING対応)または電子辞書で入手可能
「研究社 リーダーズ英和辞典 第2版+リーダーズ・プラス」
「大修館書店 ジーニアス英和大辞典 用例プラス」
「小学館 ランダムハウス英和大辞典 第2版」
―分野を問わずこの大英和3冊は持っておきたい。
特徴としては、G大英和は語法に強く、用例が比較的新しいため使いやすい。語法の解説も詳しいが、やや踏み込み過ぎた解説も見られる。リーダーズは専門用語(特に科学技術)に強いが、用例が少なめ。ランダムハウスは米語最大の辞書Random House Webster's Unabridged Dictionaryからの用例が中心で、訳語が充実しているため、翻訳者の間で評判が高い。
「研究社 新英和大辞典 第六版」「研究社 新和英大辞典 電子増補版」
―リーダーズよりも用例・訳語が多く、説明も詳しい。類語の分類も分かりやすく、個人的には助けられることの多い辞書。和英も有用。
「研究社 新編 英和活用大辞典」
―品詞別にコロケーションを扱った辞書としては日本最大。英訳に携わる人は必携。
「ビジネス技術実用英語大辞典」
―翻訳者御用達の辞書。用例・訳語がとにかく豊富。第5版が最新。
[英英辞典]
(1)オックスフォード
①Oxford English Dictionary (OED)
―英語最大の辞書。600,000語(ネイティブ向)
―10万円以上する高額な辞書。全20巻で、1989年に第2版が出されている(現在第3版の編纂作業が進行中)。オンライン(有料)で使用できるが、やはり高い。
お薦めなのは縮約版のShorter Oxford English Dictionary (SOED)。2007年に第6版が出されており、CD-ROM版で入手できる。使いこなすには高い語彙力が必要だが、英訳を専門にするなら手許に欲しいところ。
②Oxford Dictionary of English (ODE)
―オックスフォード新英英辞典。355,000語(ネイティブ向)。説明が的確で、コストパフォーマンスの高い辞書。2010年に第3版が発売されている。
③New Oxford American Dictionary (NOAD) オックスフォード米語辞典
―350,000語(ネイティブ向)。同上。2010年に第3版が発売されている。
④Oxford Advanced Learner’s Dictionary (OALD)
―オックスフォード現代英英辞典。184,500語(ノンネイティブ向)
⑤Oxford Advanced American Dictionary: For Learners of English (OAAD)
―オックスフォード米語辞典。145,000語(ノンネイティブ向)
※④⑤はOxfordのウェブサイトで無料で利用できる。
http://oald8.oxfordlearnersdictionaries.com/
コロケーションを知るのに有用な辞書として、Oxford Collocations Dictionary for students of Englishも合わせてお薦めしたい。ビジネス分野ではOxford Business English Dictionaryも秀逸(コロケーション、名詞の可算・不可算など)。
次回以降、ロングマン、コウビルドなど他の英英辞典を分析していきます。